「投資って結局、初心者は何から始めればいいんですか?」
この質問を、もう何百回、何千回と受けてきました。FXがいいのか、株式投資がいいのか、オルカンがいいのか、NISAがいいのか。今日はこの質問に、元メガバンク行員として、そして実際に1,000,000円を溶かした投資家として、正直に答えます。
結論から言います。1個ずつやってみるしかありません
いきなり結論を言います。
FXか、株式投資か、オルカンか、NISAか。この4つの中で、どれが一番良いですか、という質問に、絶対的な正解はありません。
醤油ラーメンか、味噌ラーメンか、つけ麺か、二郎系か。これも同じです。食べてみないと、自分に合うかどうかは分かりません。
AIに聞けば、それぞれの特徴やリスクは丁寧に教えてくれます。でも、AIは実際にラーメンを食べたことがありません。サーバーがラーメンを食べていたら、それはそれで怖い話です(笑)
合う合わない、好き嫌いというのは、結局、自分の感性でしか判断できないんです。これは投資でも全く同じです。
素人がやりがちな判断
多くの人は、こう考えます。
「YouTubeで有名な人がオルカン一択って言ってたから、オルカンにしよう」
「友達がFXで儲かったって言ってたから、自分もFXをやろう」
「みんな新NISAを始めてるから、自分も始めなきゃ」
これ、一見合理的に見えますが、実はかなり危険な判断です。
なぜその判断が危ないのか
「みんながそう言っているから」「周りがそう言っているから」は、判断基準にはなりません。
「なんかそう思うから」も、判断基準にはなりません。
「有名な人が言っているから」も、実は要注意です。その有名な人の感性と、あなたの感性が同じだという保証はどこにもないからです。リスクをどれだけ取れるか、どれだけの含み損に耐えられるか、そもそも何のために資産を増やしたいのか。これは一人一人、全く違います。他人の答えを、そのまま自分の答えとして採用してしまう。これが一番危ない判断です。
私の失敗談
偉そうなことを言っていますが、私自身、こうした軸を最初から持っていたわけではありません。
23歳の時、当時あったイートレード証券という証券会社で、初めてトレードをしたことがあります。ポジションを持ってから、ずっとチャートを見ていました。値動きが怖くなって、たった2,000円の損切りで、すぐに手仕舞いしてしまいました。ポジションを持つというのは、こんなにも怖いものなのか。それが、私の投資における最初の原体験です。
その後、事業を始めてから、もともと金融が好きだったこともあり、改めてFXを始めました。最初の1年間で、1,000,000円を負けました。現物取引で1,000,000円を溶かし、さらにFXでも2,000,000円を負け、トータルで年間マイナス1,000,000円という結果でした。
それでも辞めませんでした。そしてその1年後から、ようやく勝てるようになりました。
判断基準(判断軸)
私が投資を教える上で、初心者に最初に伝えている軸は4つあります。
軸1:まず勉強する
包丁の使い方も知らないのに、いきなり料理を始めたら、必ず指を切ります。まずは勉強することです。
軸2:口座開設はまだ先
いきなり口座を開設するのではなく、まずは銀行や信金、証券会社の窓口に行ってみてください。「営業されたくないんです」とはっきり伝えて、話を聞くだけでいいんです。これさえできないという方は、正直、投資をやる意味がないと思います。
軸3:リスクとリターンはトレードオフ
これは絶対に覆らない原則です。低リスクで高リターンという商品は、この世に存在しません。自分はリスクを取ってでも大きなリターンを狙いたいのか、それともリスクを抑えてコツコツ積み上げたいのか。まず、自分自身に問いかけてください。
軸4:最初から儲けようとしない
野球の初心者が、初打席でホームランを打ちたいと言っても、それは無理な話です。まずは、1,000円でも、3,000円でも、5,000円でもいい。自分が損をしても構わないと思える金額を、自分自身で知ることが先決です。「1,000円も負けたくないんです」という方は、申し訳ないですが、投資には全く向いていません。永遠に諦めてください。
選択肢を軸に当てはめる
では、この4つの軸を、FX・株式投資・オルカン・NISAに当てはめてみます。
FXは、レバレッジをかけられる分、リターンもリスクも大きくなります。値動きが早く、感情のコントロールが最も試される投資です。私自身、2,000円の損切りで怖くなった経験から、1,000,000円を失う経験まで、身をもって痛感しました。向いているのは、リスクを積極的に取りたい人、そして相場を見ることそのものが好きな人です。
株式投資は、企業を見る目が求められます。個別株は当たれば大きいですが、その分、企業分析という勉強量が必要です。銘柄選びのセンスと、決算書を読む力が問われます。
**オルカン(全世界株式インデックスファンド)**は、世界中の株式に分散投資する商品です。個別に企業を分析する必要がなく、長期でコツコツ積み立てるスタイルに向いています。リターンは大きく跳ねることはありませんが、その分、値動きに一喜一憂しにくい設計です。
NISAは、投資対象そのものではなく、税制優遇の枠組みです。オルカンでも個別株でも、この枠を使えば運用益が非課税になります。「何に投資するか」ではなく「非課税枠をどう使うか」という、また別の軸の話です。
トレードオフ
トレードオフとは、「全部を同時に満点で取ることはできません。」という意味です
・好き放題食べながら痩せたい → 無理
・好き放題にお金を使ってもお金を溜めたい → 無理
みたいなイメージ
FXは値動きの速さと引き換えに、精神的な負荷が大きい。株式投資は当たれば大きいですが、その分、勉強量と情報収集の手間がかかる。オルカンは手間がかからない分、大きな爆発力は期待しにくい。この綱引きの中で、自分がどこに重心を置くのかを、自分自身で決める必要があります。
私ならこうする
投資がまったく初めての方には、まずオルカンとNISAの組み合わせから始めることを勧めます。理由は単純で、精神的な負荷が一番低く、投資というものに慣れるための最初の一歩として適しているからです。
その上で、相場そのものに面白さを感じ始めたら、株式投資やFXに手を広げていく。これが、遠回りに見えて、実は一番早い順番だと思います。
投資の初心者への次の第一歩
YouTubeを見るよりも、本を読むよりも、実際に人に会った方が、圧倒的に早いです。
証券会社に行くのは怖いと思うかもしれません。それなら、身近にある銀行で構いません。銀行も怖いという方は、信用組合や信金に行ってみてください。もっと身近な金融機関なので、親切に対応してくれます。そして、こう聞いてみてください。「初心者なのですが、説明していただけませんか」
これさえもできないという方は、まず近所にある金融機関を、Googleマップで検索するところから始めてください。それだけで構いません。
最後に
練習もせずにボクシングのリングに立てば、死ぬ確率すらあります。包丁の持ち方を何も教わらずに包丁を握れば、指を切る可能性が高い。それだけ、最初にやるべきは勉強であり、いきなり結果を求めないことなんです。
料理初心者が、いきなりホテルのような美しいオムレツを作れるはずがありません。最初は、出来損ないのスクランブルエッグにしかなりません。そこから練習を重ねて、少しずつ、ホテルのようなオムレツにたどり着くんです。
投資も、全く同じです。
早稲田大学卒、元メガバンク出身が、個別ロードマップ診断をオンラインでしています。
